AUDIOSLAVE on Metal Edge Dec.2002.

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珍しい全員のお話が読めるロングインタビュー。文中で、"Cochise"のPVシュートが終わったばかりとあったので、恐らく2002年9-10月ごろの取材かと思われます。各々のスタンスやこれまでの経緯がわかるいい記事でした。

Rightning The Wrong

"METAL EDGE" 2002年12月号: Text by Cathy A.Chanpagna

MH:どうやってこのようなラインアップになったのか教えていただけますか?誰か、このバンドを結成させるに至る触媒的な存在の人物はいたのでしょうか?

Brad Wilk:うん、Rick Rubinがまさにその人物だね。それからZack。バンドを解散させたってことで(笑)。まあ彼のしたことは結果的には神に感謝すべきことがらかな?
Zackがバンドを離れてから、俺たち3人は、原点に立ち戻った上で、なお俺たちが一体何をしたかったのか確認にするために、俺たちはこのまま一緒にユニットを続けたかったのかどうか、2ヶ月程話し合っていたんだ。俺たちが持っているケミストリーを実現させることが俺たちにとって可能なことだということや、クリエイティヴィティは俺たちに未だに充ち充ちていることは皆わかっていたから、次なる行動を起こすことは俺たちに取ってはエキサイティングなことだったんだ。
ある日俺たちがRickの家へ行った時の事を思い出すよ。彼はChris Cornellのことを話してくれた。そこで俺が最初に思ったことは、「おおっ、そいつは俺のオールタイム・ベスト・シンガーのことだぜ?」ってことだったんだ。

Tom MorelloMH:このことはどのくらい前から計画されていたことなんですか?あなたが「変化する時だ」と感じたのはいつの事なんでしょう?

Tom Morello:そうだな、俺たちは2001年の初めにそのことについて話し合いだした。Rickは俺たちと一緒に考えてくれる大事な提案者で、俺たちは全員SOUNDGARDENのファンで、Chris Cornellのファンだった。真面目な話、彼は俺たちが一緒にやりたいと思うたった一人の人間だったんだ。
ほどなく俺たちは同じ部屋に集まれることになった。この時は割合にちょっとした集まりという感じだったんだけど、9日間で21曲くらいを書き上げた。それはもう恐ろしい程の爆発的クリエイティヴなソングライティングヘのエナジーを、この21曲に取り込むことができたんだ。スタジオでこれらをレコーディングしている間、Rick Rubinとベストを尽くして、これらの曲を洗練させて行くことができたんだ。
ほんとイカれたジェットコースターに乗ってるような体験だったね。Chrisとジャムった日から、1ヶ月くらい後にはアルバム2枚分ものマテリアルを書き上げていた。その後ほどなく俺たちはスタジオでそれをレコーディングをしていたんだよ。知り合う前から、俺たちはすでにバンドだったかのような感じだったんだ。
Brad Wilk:一緒にプレイし出した日のことを思い出すよ。目をつぶれば、あの声が耳に甦って来る。俺に取ってはホントに超現実的なことだったんだ。
俺はかつてよくSOUNDGARDENのレコードであの声を聴いてた。なのに今や彼は同じ部屋にいて、威風堂々えらい勢いで歌っているんだ。すごく幸せだったよ。
超現実的って感じの事が、とんでもないパッションを持ったエキサイティングな現実に(彼とプレイしたことで)変わったんだ。

MH:あなたがたは、誰か他の人とやることは考えなかったのですか?或いはChrisの前に誰かオーディションするようなことはなかったのですか?

Brad Wilk:誰ともオーディションしたなんて言ってないよ。それにChrisにオーディションを受けさせたわけじゃない。まあChrisが俺たちをオーディションしたってならともかく(笑)。
Chrisの前に一人だけ一緒にやってみた。B-real(CYPRESS HILL)だよ。B-realのことは大好きだ。彼は才能豊かなやつだしね。ただその才能はRageの路線に近すぎた。方針にそぐわなかったんだ。

MH:数カ月くらいの間は、あなたはZackが戻って来るならばRageを続けることが出来たと考えていたのではないですか?

Brad Wilk:そうだなあ。内部的な混乱はRAGE AGAINST THE MACHINEが始まった時から何よりも顕著だったからね。ポジティヴさよりネガティヴさの方が勝っていたんだ。
大きなことを得る為に努力することはすばらしいことだ。停滞していることに無駄な努力を重ねることはすばらしいとは言えないけど。
Zackは変化していくことを決意したんだ。ことの真相はそういうことさ。俺たち四人の他にも、この世にはもっとたくさんの音楽がある。Zackは彼自身の音楽を、俺たちは俺たちで俺たち自身の音楽をやるというわけさ。

MH:出演を契約していたBEASTIE BOYSとのRHYEM AND REASONツアーから降番したことが、Rageの終わりの予兆だったといえますか?

Tim Commerford:俺たちはこのツアーの一連のチケットは売ったし、Mike D(BEASTIE BOYS)が怪我した時には、俺たちはこのツアーの為にスケジュールを組み直そうとは思っていたんだ。でもその時、Zackがソロプロジェクトに専念したがったんで、俺たちはツアーをキャンセルしたんだよ。俺たちはすべてのチケットの収益をホームレス・シェルターに寄付することを約束していたし、このツアーは金銭的にでかい仕事として廻っていたんだけどね。あの出来事は、俺にとってはRageに対する致命的な挑戦のように思えたね。

Chris CornellMH:"EUPHORIA MORNING"ツアーの終わった後、あなたは何をしようと考えていたのですか?次のソロレコードをリリースすることや、SOUNDGARDENの再結成の可能性などはなかったのですか?

Chris Cornell:子供が生まれたんだ。これはここのところ一番大切な出来事だったから。俺が次のソロアルバムのための曲を書き出した頃、TomとRick Rubinから連絡をもらったんで、話し合いを始めた。最初は俺たちどうなるんだか良く分からなかったんだけど、やってみたら「やあ、いいじゃん」と思えて、事はすんなり運んだね。
TomはTimmyとBradと仕事を続けることを心から願っていたし、俺はほんの40分程度ジャムする間に自分をさらけだしてみて、この面子ならレコードを作るのはいけるし、すばらしいものになるに違いないと。で、9日の間に21曲仕上げてて、俺たちは、1枚のアルバムに余る程のマテリアルを備えたバンドになっていたというわけなんだ。
その頃、俺たちはレコード会社とこれからやりたいのか話し合わないといけないという問題を抱えることになった。なぜかと言うと、俺たちは互いに二つのレコード会社、二つのマネージメント、二人の弁護士、そして二人の会計士を抱えていたからなんだ。バンドで在ることは簡単、曲作りも簡単、でも他の諸々の総ての問題が山積みで、その整理作業に追われることになったんだ。

MH:21曲を書き切ったということですが、そのうちの14曲しかアルバムには入りませんでした。それらの曲をレコードに入れることをどのように決めたのか、また、他の曲はこれからどこかで発表するアイデアはあるのでしょうか?

Tom Morello:そりゃもちろん。いい曲を沢山レコードに入れそこねたからね。これって俺たちにとってはすごく興味深いことで、曲を沢山用意しすぎると、一貫したレコード制作の妨げになるように思ってたんだ。レコードに入れる曲や順序を決めるのに長いこと時間かけてたし。でもある意味それが人を感動させるようなレコードを作る結果に導いていたと思う。
LED ZEPPELINの"IV"とか、THE CLASHの"LONDON CALLING"みたいな、俺のフェイバリットであるようなレコードのように、夢中になってしまうだけの意味のあるアルバムにね。
Brad Wilk:俺にとっては、このアルバムが持つ独特の味や雰囲気やヴァイヴは、俺が子供の頃古いレコードで聴いて以来、お目にかかれなかったそれに通じていると思える。LED ZEPPELINやWHOみたいなのが持っていたようなね。うまく言えないけれど、そんな風に感じるんだ。

MH:なんと言うか、あのアルバムは人をどこか違う世界のようなものに連れてゆくと思います。そういう要素の水増し的なヒットソングを持つレコードができることじゃないですよね。

Tom Morello:(笑)そうそうそう…。すばらしく多様性があるからね。思うんだけど、Chrisが俺たちを音楽的にこれまでとは違った道へ連れてったような気がするね。そして俺たちも同じように彼に影響を与えたはずさ。
そりゃもうエキサイティングでさ、でも言っておくけど、あのレコードはギターとドラム、ベースとボーカルのみで作られている。でもあれの上には恐ろしい程音響的な変化が訪れたんだ。

MH:もう一つのポイントとしては、あなたが一人のギタリストとして一聴してわかる個性的なスタイルを保ちながら、非常に新鮮な音を鳴らしていると言うことです。

Tom Morello:(笑)どうもありがとう。それはすばらしい評価だよ。俺は自分自身の(心の?)声を演奏の中に見いだすよう努力してるんだ。もっと激しいなプレイができるよう、いつも努力してるよ。(笑)激しさの度合いにソウルフルなプレイを心掛けたし、あのレコードでバラエティが拡がったんじゃないかなぁ。

MH:あなたの作るサウンドは、変わらずあなたらしいものです。ですが、Rageでやっていたことからみれば、ずいぶん差があるわけで、このレコーディングはあなたにとって調整作業的なものでもあったんではないでしょうか?

Tom Morello:俺たちは曲を書くうちに色んなことから自由になれたんだ。 そしてリハーサルスタジオで仲間意識が芽生えた。今までよりずっとブルージーなものでも、Wes Montgomeryからインスパイアされたソロがある"The last remaining light"でも、"Set it off"のあの捻くれたイントロでも、みんな演奏するのが楽しくて。そういう要素は純粋に等しく俺のプレイの一部であり、そういうことはリハーサルスタジオで凄くいい雰囲気につながっていったね。

Tim Commerford MH:"Shadow on the sun"はブルージーな曲ですね。これまで書いてきた曲とはアプローチを変えたということなんでしょうか?

Tim Commerford:あの曲はクールだよなぁ。俺にしてみれば、あの曲はハードな面とソフトな面のミクスチャーさ。出来上がってみればまったく驚きだよね。ありゃ最初はデスメタルのバラードアンセムみたいな代物だったんだからさ。
俺のあのベースが本質的なプレイなのかどうかは、俺にもわからないないことだけど、メロウな音楽をやるってことについては学んだよ。Rick Rubinが「ソフトにやれ」って言うんだよ。これって俺にとっては物凄く大変なことだったんだ。"Shadow on the sun"は得にソフトな感じを持った曲のうちの一つで、それは俺にとってはやたら緊張することだった。
RAGE AGAINST THE MACHINEのメンバーとして10年間もプレイしていたものとは正反対の方向性なわけで、ベースプレイヤーとしてはかなり手こずる類いのことだったね。Rick Rubinともっとうまくできるよう随分頑張ったよ。 Rageてのはもっとリフ・ロックの様相の強いものをやってて、俺にとっては音楽というのは常にリフを念頭に置くものとして始めていたし、そのつもりでやっていた。ところが、このバンドを始めてみて、レコードに入った中の4-5曲を見てみれば、決してリフに沿って作られたものじゃなく、コード進行で出来てるわけなんだ。コード進行って方法の中に自分の道を切り開く事は、10年に渡ってリフを弾いてきたベースプレイヤーである俺にとっちゃ、ちょっと怖いことでもあったんだよ。何せ未体験の領域だしね。
もうどうしてもうまく行かなくてさ、そしたらRick Rubinがまっ先に「お前らさ、もう少しソフトに出来ないかな」って言ったんだ。それで俺たちは「おおっ、そうか、俺たち最初からハードな曲ばかりレコーディングしてたから、メロウな5曲が後回しになっちまったんだ…」って。
俺たちは学習し直し、それらの曲を最後にレコーディングしてミックスし、それからゆっくりめの曲もやり遂げ、まあちょっとした自分達だけのレコードを作れたってわけ。
結構ハードだったね。他の曲は大抵シンプルで、ミュージシャンとしちゃRageでやることよりか簡単だったんだけど。Rageはもうちょっとテクニカル面でチャレンジしてた。だけどこっちはもっと音楽的というか、曲のメロディからプレイに要求されるものがあるんだ。これまでになかったことだよ。

MH:よりエモーショナルな部分から作曲するようになったことについて、どういう風に考えていますか?Chrisの詩の性質上なのか、それとも政治的な視点については?

Tom Morello:Chrisは相当俺たちを奮起させたね。これって俺たちにとっては初めてのメロディを歌いこなすシンガーとの演奏だったし。しかもそんじょそこらのシンガーじゃないよ、もうメロディを従えた男というか、だってあのChris Cornellだよ!ちょっとどうするよ、ありゃ最強のうちの一人だぜ!?ってさ。
"I am the highway"とか"Like a stone"みたいな曲のコード進行は、不意に浮かんできたものなんだ。 さらにとんでもないことには、"Cochise"や"Set it off"や"Show me how to live"みたいなリフがクラッシュしてる曲まで…。 こりゃ俺たちに出来ないことなんて殆どないんじゃないかってな感じだったね。
Tim Commerford:そう。このことは俺に歌詞ってものにより注意を払うことを教えてくれたね。エモーションというものにね。Chrisのいくつもの言動には随分学ぶところがあったよ。
彼が持つメロディやエモーションを強調させたり、理解したりするようにやってみた。でも俺は一人のベースプレイヤーで、チームの一員なんだ。正直、俺が感じているパワー以上にエモーションを感じるって方じゃない。だからこそこれはチャレンジだって言うんだ。
さらなるエモーションを得るためにChrisと歌詞について語り合った時、こんなことがあった。"Like a stone"についてなんだけど、彼と話し合う少し前に、俺は彼に「これって何についての曲なの?」って尋ねたんだ。俺はこれはラブソングだと思ってて。彼もそのつもりだった。で、「おいおい、こりゃラブソングでも誰かが死んだって風にも取れるんじゃないか?」って思い当たったんだよ。「こりゃすげえ」。
あれを理解するのは俺にとっては完璧に転機といえたね。「なんて深いんだ」って。
もし何かとんでもないヴァイヴを曲の中に感じたなら、たくさんの音楽に対して絶対にオープンマインドでいるべきなんだ。そこにはやっぱりとんでもない深い意味が込められているんだからね。
Chris Cornell:そうだな、うん、あれは確かに死の後についてのような気もする。俺もそう思う。
レコードを作ったりリリシストであろうとする時、俺は、聴いた人が各々の印象で受け取ってくれればいいなって思う方なんだ。俺の意見としては、それはもう聴いた人達のものであって、そして感想は各々の人生に合わせて脚色されるもんだと思う。みんな18ドル95セントとかのCD一枚分のお金を払うんだから、曲が何かしら意味を持つなら、それを永遠に好きに留めておいていいんだよ。

MH:どこかで読んだ覚えがあるのですが、基本的にメロディから書くよう、あなたは座ってギターを弾いて詩を書くそうですね。いつもそうしているんですか?

Chris Cornell:俺はそれがやって来るのを見て書き留めるという感じかな。俺にわかるのは、なんであれありのままの状態でいるようにしなくちゃいけないということ。だってさもないと、
後からじゃ気に入らなくなるかも知れないし、なにかしら音楽的なインスパイアに昇華させるわけだから。
だいたい、詩のアイデアが浮かぶ時ってのは、書こうとしている時じゃないんだよ。俺は相応しい曲がやって来るのを待っているだけ。それか、アイデアの方がやって来てくれるまでちょっとの間、曲に乗せるメロディを用意して近付こうとしてるか。
いったん曲のアレンジが済んだら、それをいったんキープしておく。ただし手つかずの状態の曲に、歌詞の面での実際の肉付けは、曲自身でアレンジが自然に完成しない限りやらないんだ。言葉尻を変えたくないところに曲を乗せるのにいつも苦労してるからね。
もし、特に気に入った語幹の言い回しで歌詞を書けて、曲も、テンポも、メロディも充分な出来だって感じられたら、すごく自然に歌えると感じる。でも、もし力づくで言い回しや単語を曲やらテンポに押し込むなら、そんなのは俺はごめんだな。エモーションの核っていうのは、なんでも、歌うことで手に入れるべきものなんだ。これだけはそっちから来てはくれない。だから絶対楽なことじゃないよ。

MH:あなたはシーンにおいて常に、得に多作なリリシストの内のひとりですね。「歌詞」の中に「詩」が単独で浮かび上がって来るのはどういうところなんでしょう?

Chris Cornell:俺は、書くってことは、音楽から切り離された別の何かだと思うんだよね。そのことに俺はすごくハマってるんだ。あまりハマりこみ過ぎないようにしているんだけど、大体いつもなんかしらやってるね。
テーマがあってそれを歌うわけだけど、俺に取って歌詞というものがエキサイティングなのは、なんかエモーショナルなインパクトを表現したり、言葉を組み合わせの真似事をちょっとしてみたりとかのチャレンジできたりするからなんだ。
3分半だか5分半だかそこらの曲の文脈に、そうは沢山の言葉を乗せるわけにいかないだろ。ヴィジュアルをイメージし、言葉を適切に間引いて配置する。もしポイントをはっきりさせたいのなら、そのポイントを定めた上でいくつか言葉を間引くんだ。そうしたことを考えるのに、かなり長い時間をかけてるんだけど、そのお陰で俺のスピーチもよりよいものになってると気がついたんだよね。何かを誰かに話す時には、可能な限り最小限の言葉で話せばいいんだ。
俺は、歌詞書きにあてた時期になんかしら毎日書いているってわけじゃない。ノートを持ち歩き日記のようにかかさず何でも書くようなタイプじゃないもんでね。音楽的に、あるいは歌詞的に何か良いなと思えることがあれば、それがこう、溢れて来るような感じになるもんなんだ。
そうやってばーっと書きあげて行く時ってのは、そうすべき時だからそうするわけで、一旦やり始めてしまえば頭の働きってのは全開になるもんで、そうなりゃ歌詞はどんどん溢れ出して来る。こうなったら作業を止めるほうが難しい。
俺はいつでも、こういうことは楽しみとしてやってるんだ。なんかレコード1つ作りはじめると、すぐ次を書きたくなるってスタンスはキープしてるよ。真に自分のペースを見つけたと思ったなら、書くことのプロセスの4分の3はやり遂げてみて、そのサイクルをずっと続けるようにすればいいんだ。

200212mh_05.jpgMH:大体のマテリアルを書いたのは、ジャムセッションを始める前のことなんですか?

Brad Wilk:いや、大体TomかTimがリフを作って、Chrisが歌メロをのせるか、俺がなんかドラムビートかギターかベースのアイデアを出す。殆どのパートは、この4人が一緒に演奏することから出来たんだよ。みんながみんな重要な位置にいて、曲作りのアイデアを出し合い、アイデアを共有しあった。これって凄いことだよね。だって比べてRAGE AGAINST THE MACHINEのやり方は、どうも俺たち全員にとって活発的でない感じだったというわけだから。

MH:RAGE AGAINST THE MACHINEのやっていたことの境界は、どうも彼らには窮屈だったようにも見えますが、あなたの周りではどういったことが起きたんでしょうか?

Chris Cornell:俺は周囲の環境と対等でいたと思うけど。丁度ソロレコードにかかろうとしてた時だったし。ソロでやる環境ってのは、何もかも自分の思う通りにできるわけだよ。これってバンドとは対照的でさ、「残りの人生、ソロレコード作り続けるって手もあるけど、この3人とやってみていい感じだったらどうする?これって何もずっと同じことをやり続けていかなくても良いっていうことへのチャンスなのかも?」と、そういう風に考えたんだ。
俺が部屋に入っていった時、彼らはすでにオンステージモードでさ、「うわ、もし俺たちがうまく行ったら、俺にしても凄いラッキーかも」と思ったんだ。他の誰かと友達でありバンドのメンバーであり得るってのは滅多にないことだと思うんだ。音楽に対して良く似たアイデアを持った他のメンバーと、強い結びつきを持てるとかそういうことは、なかなか起きるもんじゃない。普通は、多くの対立の中から成功なども生まれて来るものなんだ。彼らのキャリアは俺のキャリアと殆ど平行してた。ロックの再定義をしたと評価されているようなバンドで何年かやってきて、大量のレコードを売るとかいう類いのこともしてきてるところまでね。ただのガレージバンドが音楽を作るように、俺たちは同じ部屋の中で一緒にリハーサルしながら、すべての曲を書いたんだ。
ソロでやるってのは、自分ひとりでハードな仕事しなくちゃいけないものだろ?すべて自分で書いて、誰かしらと働いて、自分自身をプロデュースして、あらゆる決断も自分自身の為に自分でする。アートワークも営業も全部さ。
そんな時に子供が生まれたことで俺は凄く感動して、また誰かと一緒にやりたい、コラボしたいってな気分にさせられていたんだ。で、自分の仕事に集中しようとしてみて、かつてSOUNDGARDENにいた時、俺は何でも自分の手に抱え込もうとしていたことを思い出したわけ。いくつものプロダクションとミキシング、作曲に曲をコントロールするためにデモレコーディング、他のみんなの曲も手掛け、そういうもろもろのことのために働いていた。俺はコントロールフリーク状態で何年もやって来ていたんだ。別に強迫観念にとり憑かれてたわけではないけど、そういうものをちょっとは感じるようなことが、これまでの人生でもありはした。
単なるシンガーでありソングライターであるだけという存在になれて、みんなが自分の仕事を普通にやれるようになったのは、特にはRickとやったお蔭だな。俺はこれまで、プロデューサーって連中に、マトモに仕事をさせたことがないんだよ。SOUNDGARDENとかの仕事ではロクなアイデア持って来るやつはいなかったしさ。俺たちメンバーは全員が独断的な性格だったところにもって来て、彼らはそこをまたいじくろうとするんだよ。彼らが意見しようとするのをやめて、俺たちの好きなように動くようになるまで、俺はずっとプロデューサー相手には心に壁を作っていたというわけ。
今回、彼のプロデュースでやってみて良かったのは、例えば俺たちの意見が一致しない時には何とかする為にあらゆることを試してみたりできて、それがバンドにいい要素を与えたりしたことだ。
みんながアイデアを持ち寄り、なんでも試せて、最終的決断は自分らで出来たし、結論を出す為につまらない議論など無しで一致できたし。
Rickとはこのレコードでだけ一緒にやっただけの関係だけど、彼は物事が容易に運ぶようになるまでとことん付合ってくれるタイプだ。プレプロダクションを重要視する方みたいだね。ビデオ撮影の時にはお洒落してくる方って感じだな。
アートワークにも意見があって、ライヴで何をやるかってことにまで気を配ってくれる。フルサービス・プロデューサーだね。かなり感心したよ。

MH:今回のことで、あなたはソロアーティストになろうとは全く考えなかったのですか?TimとBradと離れ、自分のためだけに新しいことを始めようとは?

Tom Morello:まさか。俺にとって彼らとの音楽的ケミストリーはかけがえのないもので、それはどこにでも転がっているものではあり得ないさ。彼らは誰とも比べられないほどホントに最高の連中だし、音楽も最高だ。
Timmyは精緻にして完璧にナチュラルな力をベースに叩き込むし、Bradは無限に湧き出るアイデアの泉を持ってて、ドラムによってコミュニケーションを取る才能があって、ある意味それで基盤を作ってくれるんだ。みんなを引っ張るパワーがあって、すごく複雑なんだけどね。

MH:あなたは二つの世界を体験したわけですが、どちらがよかったといえますか?あなたは新しいバンドにより深いケミストリーを感じる?

Tim Commerford:俺たちはバンドを取り戻すチャンスを得たんだ、といってもまだまださ。俺たちは小さなショウから始めるわけだけど、これはバンドとしてできるだろうことのほんの一角にすぎない。
間違ってしまったことを直すチャンスのようにも感じるな。俺の父親からも象徴的なものを感じた。俺が有名になり出した頃、うちの親父にどやされたことがあるんだよ。今、5ヶ月になる息子がいるんだけど、俺は絶対子供を殴るような父親にはならないぞと自分に言い聞かせてるんだ。それどころか触ることも出来ないんだぜ。もし息子にブラスナックルでぶちのめされて、鼻を折られたとしても、俺は絶対彼に手出しはしない。俺の父親がそうだったからだ。俺は人生においてそういうことを学んだんだ。間違ってしまったことなら、俺は正したい。
バンドにおいても俺は同じ哲学を持ってるのさ。一つの見本としてRageの持っていた明白な政治性がある。でも政治性が話題の最前線で、俺には音楽の方がずっと大切だった。今回のツアーでは政治性が全面に出ることはないが、それはいいシチュエーションになったといえるな。願うなら、もっともっとたくさんのショウをこのバンドでやって、Rageでやったよりも大きな慈善活動をしたい。俺たちはたったの300公演くらいしかやっていないし、それってあんまりにも少なくないか?俺たちチャンスを逃したんだよ!マジ思い残しをなくすつもりさ!またツアーに出て、チケットのいくばくかをホームレスシェルターに寄付して、TomのAXIS OF JUSTICEに寄付するんだ。
Tomが政治的な活動をやると、いつだって彼の学歴の話になるんだよね。
すると俺は、「Tom Morelloはこの手の話題には一番信頼のおける男さ。彼はこのことにはかなりのキャリアだし、何せSenator Cranston(カリフォルニア州の上院議院)のオフィスで働いていたことがあるくらいだ。イリノイのリバティビル出身で、白人ばっかりの郊外の住宅地から唯一ハーバードヘ入学した、しかも黒人だぜ」ってみんなにいってやるんだ。
俺は「お前はすごい男だTom」って永年言い続けてるくらいなのさ。
もしNFL(ナショナルフットボールリーグ)の選手が全盛期を過ぎて、何も残ってないのに指の関節炎だけは抱えてるとしたらどうする?もしNFLの選手だったら?恩給がもらえるな。ミュージシャンにも似たシチュエーションがあり得る。そうだな、25万枚くらいのレコードセールスがあるとするだろ。はっきり言えることだけど、これじゃ将来的にはほんのちょっと程度の金にしかならないわけ。
Tom Morelloに関して俺が素直に信頼してるのは、彼はこういう状態に、何かしらを変化をもたらしてくれるってことだ。
彼は誰よりこの仕事に相応しいと俺は信じてるね。Don Henleyよりずっといいし、いう間でもなくCourtney Loveより素晴らしいし、Beckより素晴らしいし、彼は他のどんな間抜けどもよりずっとずっと素晴らしいんだ。何故って彼は、理想を現実にすべく、その身で代償を払っているんだからね。

MH:これは恒久的なバンドとなるんでしょうか?それとも一時的なプロジェクト?

Tom Morello:なんだか妙な噂が流れてるようなんだけどさ、まあみんな、これが本当のバンドだってことをすぐに知ることになるよ。一時的なコラボレーションのためのプロジェクトなんかじゃない。AUDIOSLAVEはバンドなんだ。俺たちはツアーして、たくさん、たくさんのレコードとビデオを作って、さらにMETAL
EDGEのインタビューにも答えなくちゃいけない。
そう、共に音楽を愛する4人の男が本気でうちこんでいるバンド、それがAUDIOSLAVEさ。

MH: 様々なことが明らかになってきましたが、OZZFESTのことだけは未だ霧の向こうです。OZZFEST参加に関しては一体何が起きたんですか?

Tom Morello:ああ、あれは残念だった。二つのことについて残念だったんだ。ひとつは古いデモがネット上に流失したこと。2年前の夏のことなんだけど、デモバージョンでしかない曲群が、ネットにリークされるという厳しい出来事があったんだよ。あれは絶対正式なレコードには入らないね。この11月に発売されたものこそ、俺たちが誇りに思う本物のアルバムさ。デモとは違う曲目だし、ソロも、ボーカルも違うし、歌詞やら何やらも全部違う。
同じ頃俺たちはOZZFESTツアーから撤退することになった。これにも凄くがっかりした…けど、そのすぐあと、俺たち全員がまた最初の1ページめに戻れたからいいんだ。こういうことのお蔭で素晴らしい尊敬と友情を育てることが出来たんだから。こうして共に音楽を作れるということの前には大したことじゃないんだ。
Chris Cornell:そうだなあ、OZZFESTてのは、どこからどこまでビジネス的すぎちゃって、なんというかカオスを生み出してるよなあ。俺たちは、他のもろもろの問題を早いとこ解決したいばかりにゴールを焦ったとこがあって、出演に同意したんじゃないかと思う。
ホントに色々酷いことになってた時だったんだ。一度決めたバンド名も破棄することに決めなくちゃいけなかったし、マネージメント会社はまっぷたつ、お互いのレコード会社との契約も遂行しきってなくてさ。
で、もう一度出来た曲を聴き直してみて、ホントにあんなビッグ・ロック・ツアーにこれが似合うのかって考え直してみたんだよ。俺にはみんなが参加したいと本気で願っているとは思えなかった。唯一最大の理由はSYSTEM
OF A DOWNとやれるってことだけだったんだよね。これは悲しかったな。だって俺たちって、ビジネス関連の末端に関しての悩みに時間をさき過ぎてたんだよ。
俺たちがふたつに別れてた間にレコードはミキシングされ、機会を待ってた。俺たちが頑張ってつくったものが、今までに聴いたこともないようなレコードにミックスされて出来てきたわけ。2ヶ月ほど経ってから、俺たちはまた会って出来たレコードの総てを聴き直してみた。このことが俺たちを勇気づけてくれたんだよな。やる気を与えてくれるアルバムに仕上がってたんだ。
そこでまず俺たちがやらなくてはいけないことは、他のマネージメントと契約を結び直すことだった。このバンド専属で働いてくれて、色々助けてくれるマネージャーを手に入れるってこと。

MH:舵取りをしてくれるキャプテンが欲しいと。

Chris Cornell:そう。なおかつ決して二枚舌でないこと。俺たちがバンドになった途端に二つに別れて対立するようなんじゃなく、ちゃんと一緒にやってくれること。
Brad Wilk:OZZFESTが始まろうって時は、俺たち目先のきかない状態で、やるのかどうなんだ、バンドになるのか、ツアー出れるのかみたいな感じだった。レコードもまだ出来てなかったし。ビジネス面に関しちゃかなりヨロヨロだったよなあ。俺たちは一本化させようとしてんのに、全然団結してくれなかった。
この時点での基本的なことは、ビジネス面と音楽面の調子を無謀にも合わせて、真の友情を結ばせること!4人はお互いを思いやれていたからさ。
俺たちが共にいれて、4人の間に強力な絆を結べたことをホントに嬉しく思うよ。

MH:バンド名を変えたことについてはどうでしょう?最初にアナウンスされたCIVILIANの名前で行かなかったのは何故ですか?

Tom Morello:うーんと、L.A.のラジオステーションでSharon OsbourneがCIVILIANて名付けてくれたんだよね。まだバンド名がつけられてない頃だったから。彼女がOZZFESTにブッキングしてくれるてんで、彼女のデスクを挟んで、とにかくなんか名前つけなくちゃと。これがまた結構どうなんだと言う感じで、もっとバンドに相応しい名前に変えると決めたんだ。それがAUDIOSLAVE。俺はめちゃくちゃ気に入ってる。君はどう?

MH:AUDIOSLAVEは政治的なバンドにはならないわけですか。

Tom Morello:ありえないね。政治的なもろもろは遠くに置いたよ。俺とSYSTEM OF A DOWNのSerj(Tankian)は、AXIS OF JUSTICEっていう組織で活動をしてるんだ。詳しくはサイトでも見てよ。バンドと、ファンと、政治活動家がひとつになって、俺たちのリーダーのはずの連中が戦争商人やってたりすることや、みんなが貧困や、暴力や、環境汚染やなんかについてのディベートしたりして、社会にとっての正義のために戦える組織なんだ。
俺たちAXIS OF JUSTICEは、ファンたちの質問に答える時間を大事にしてるんだ。「どうしたら問題に関れる?差別と戦うにはどうしたらいい?」質問に答えるよ、AXIS OF JUSTICEにはグローバルな情報がある。暴力と人種差別と環境問題に関する国際的なサイクルのこととかね。
さらに今俺たちにとって一番重要なのは、肉体的性的虐待を受けている子供達の救済に力を入れることだ。それからホームレスシェルターと、食料銀行をもっとも必要としている国に配備すること、顧みられない人々を肉体的に助けること。
真実助けを求めている人々とのコンビネーションを築ければいいと思ってる。力をあわせて正しくないことに抵抗するんだ。どちらにせよAXIS OF JUSTICEは強力な存在になる。これは政治的なことだよ、俺が今まで通り関わって来たようにね。

MH:皮肉なことがいくつか…。政治的な暗示がこのレコードにないのに関わらず、今この国はかつて見ないほどに政治的な渾沌のまっただ中にあります。

Brad Wilk:俺が言えるのはひとつだけさ。RAGE AGAINST THE MACHINEの時は、音楽の唯一のテーマは政治的なことであるべきだったが、内部的混乱から、起こせるはずのアクションが起こせなかった。このバンドでは、基本的にTomが組織でやってることがそっち方面だ。良くなったと思うよ、俺たちがこの道で果たせることが増えるということだからね。
今この国で起きようとしている戦争のことは勿論重要だ。そして、俺たちが、PEARL JAMが、NIRVANAが各々レコードを出そうとしている…これは10年前と同じ構図さ。おまけに俺たちが戦争に突入しようとしている所まで同じ。すべての出来事が繰りかえされてるみたいじゃないか?

MH:さきほどあなたは、間違いを正すということについて話していました。これは音楽的なレベルの話にも当てはまることでは?今やシーンにはラップロックが溢れかえっています。このバンドはそのことに対する返答なのですか?

Tim Commerford:そうだな、ラップロックバンドで素晴らしかったのはRAGE AGAINST THE MACHINEだけさ。あとは全部suckだね!Zackが抜けた時、俺たちはRAGE AGAINST THE MACHINEで歌える他の誰かを捜せないかと考えてみた。だがそんな誰かは居はしない。Rageの栄光を捨てて、他の間抜けバンドにならなくちゃいけないところだ。
悲しいことに、ラップロックムーヴメントには全く見るべきものがないと俺は思ってる。今に 間抜け白人男どもの枯れ木の山の賑わいのように思われるだろうよ。あんなバンドどもには言うべきことなど何もないだろうし、今奴らがやるべきことも何もないさ。俺たちが奴らと同じところにいないってことは喜ばしいね。

MH:今やあなたがたのようなバンドはもう見つかりません。こんなシーンでツアーをすることに不安はありませんか?

Tim Commerford:いや、いいバンドはいくらでもいると思うよ。俺が個人的に好きなのもいるし。今って俺に取ってはかなりいいロックがあると思う時期さ。ラジオをつければ、SPARTA、QUEENS OF THE STONE AGE、SYSTEM OF A DOWN、AUDIOSLAVE、FOO FIGHTERS…そんないいバンドの曲がいくつも聴こえて来る。俺は好きだよ。「こんなバンドたちとツアーをしてみたい」って思えるような、意味のある旬のロックだ。ROLLING STONEやSPINは「ロックが帰って来た!」なんて見出しでTHE HIVESやらTHE STROKESやらTHE WHITE STRIPESやら、あの辺りのバンドについて書いてるが、俺に言わせれば「パンクが帰って来た」だな。俺にはずっとパンクに聞こえるよ。
Brad Wilk:今リハーサルに入ってるんだけど、ツアーに出る計画はもちろんある。Rage時代にはPeter GabrielやAGENT ORANGEとかともやったんだぜ。誰とツアーするのでもOKさ!それで俺たちが変化するわけじゃないし。俺たちがリハーサルしてるってのはいい予兆なんだ。俺にとって、ライヴでプレイすることやバンドとオーディエンスの間にあるコネクションは、音楽的な体験としてはエキサイト50%増しなんだ。何ものにも替えがたくパワフルな体験の準備をしてるとこって感じだな。

MH:Rageのように怒りを持った音楽ではありませんが、今のオーディエンスは、以前よりも少し成熟しているだろうと思いますか?

Tom Morello:そりゃ予想できないことだな。ミュージシャンが得られるレスポンシビリティてのは、予想できないパワーの先にあるものなんだ。いちアーティストとしては、正直に音楽を作るしかないだろう?
オーディエンスが若者であろうと、大人であろうと、より成熟していようと、未成熟であろうと、それで俺たちの決断に影響されるような責任があるというわけではないし。俺たちが追うべき責任とは、俺たちが出すCDの上にあるのさ。このCDを出せるということは、素晴らしい誇りだ。この真実をみんなが耳にてしてくれる瞬間が待切れないよ。

MH:レコードに話を戻しますが、あなたのボーカルやその資質を取り上げて、あなたがたがイメージチェンジを狙っているという人も多少は居はします。彼らがあなたの違う側面を求めていることを、あなたはどう思いますか?

Chris Cornell:ああ、そういうのは特別グルーヴってものにこだわりがある連中なんだろ。すべての行程でリズミカルに歌うことに前向きだったからね。俺たちは、これまでに書いた中でもさらにシンプルな曲になるように話し合ったんだ。ソロアルバムを出してから、得にシンプルということが俺には良いなと思うようになってて、このアルバムについてもそういう風に準備してた。そして、ラッパーはいてもシンガーのいないバンドにメロディを持ち込むということだね。
他の誰かと共に作曲するということは、ひび割れをこじ開けるようなことなんだ。コードパートを持って来る奴がいて、俺はブリッジの部分を書く。これまでに彼らのことを何も知らなかったのに、ほんとにすぐに感銘を与えられたんだ。俺たちの悩みと言ったら「おお、ちょっと曲書きすぎちゃったんじゃないの?しかも全部いい曲だし、どうするよ?」ってなもんで、ちょっと客観的になるなんて無理って状況だったんだよ。
アルバムが出来た今、落ち着いて聴くことは容易だろ。そんな風に、ここまで容易く事が進んだことにちょっと不安を感じるくらいなんだ。だって彼らとやるまで、こんなに簡単に物事が進んだことなんてなかったんだから。多分、俺がうまくいって欲しいと強く願ったように、彼らもそう思っていてくれていたということなんじゃないかな。
俺たちはこれから何年でも一緒にやってくよ。これってミュージシャン的には夢のシナリオなんだ。バンドがはじまり、みんなが本気で仕事しようとしてて、音楽を愛してて、沢山作品作れそうでさ。要するに俺たちは今ハネムーン期間にあるってわけだ。

MH:"Show me how to live"は特に突出してますね。これには何かスピリチュアルなものがあるのですか?神聖な道標を感じていたならぜひ話してくれませんか?

Chris Cornell:神聖なものを感じるセンスねえ。俺にとっては、これは人生においての危機を歌った歌なんだ。俺はあんまり良い状態とは言えないから。
思うんだけど、人々というのは、過分に道徳的であろうとすることを楯にし、まるで子供のように与えられた道具を持ってして、社会の機能を持続させる為に躍起だ。
人生も終わりに近付いてから、ようやくそのことに気がつき心に留めだすわけだが、その時にはそれはもう彼らの為にはなってはくれない。権威的なやり方でコトを進めるような連中に信頼はおけないなどと思うようになったとき、ようやく自分で自分自身をまとめあげることをしてこなかったってことに気がついてしまったりするんだ。
「おい、誰が俺を幸せにしてくれるんだ?人生において時間を割いてまでやるべき価値があることって一体なんなんだ?」誰もがいつか感じることさ。

MH:これまでに、インスパイアされるシチュエーションにあったにも関わらず、その可能性を無にしたと感じることがあるのでしょうか?かつてラッパーを擁していたバンドに、不意に招かれたことについては?

Chris Cornell:いや、そういうことはまるで考えないな。父親になったことと、俺自身の幼児期の体験に反映されて、さらにそういう傾向になったように思う。
記憶にある限り、悪い状態から逃れて、もっと良いと思える仕事をしようとしてた時で、誰か俺とは対照的な存在の人間の手引きがいるとわかっていたんだ。それで彼らこそは、そういった存在だって思ったんだよね。
多くの子供を持つ夫婦が、安全性に基づいて子育てをしてる。子供達が橋の下などに住むことないよう…つまりちゃんとした教育を受けさせ、安全な職に就けて、連帯感を感じられるようにする、それが安全であるってことなんだ。
力でねじ伏せることを良しとするタイプの人間がいたとするだろ、それは彼らが幼い時に、力でねじ伏せるやり方を押し付けられて来たということなんだよね。俺は絶対違うけど、彼らはそういう(自分がされて来たことを自分の子供にも)ことをするんだよ。トータルで見れば、そこにあるのは間違ったことばかりだと気付くはずなんだ。
それは確かにリスキーなことだけれど、問題を解決に導き、本当に幸せになるにはそれがいい。

MH: Rage的には、音楽的に新しい旅立ちをこれで果たすといえます。ですが、SOUNDGARDENやあなたのソロ"EUPHORIA MORNING"とはリンクしているところはあるように思えるのですが、あなたとしてはいかがですか。

Chris Cornell:さあどうだろう。そういうことは考えたことがないからわからないなあ。違う人間が寄り集まって、違う方法で書いてるわけだし。それに演奏陣、ベースもドラムもギターも、音響的に全然違うサウンドだぜ。俺としても、今までにやって来たことを参照して書いてるわけじゃないしな。

MH:"EUPHORIA MORNING"の評価はあなたには満足のいくものだったのでしょうか。

Chris Cornell:うん、実際あれにはかなりワクワクしたよね。 特別ヒットを期待して作ったアルバムじゃないし、そういうことは全然考えていなかったんだけど、あのアルバムに伴うツアーは素晴らしかったな。あれでSOUNDGARDENから大きな第一歩を踏み出したと思ったよ。
ロードへ出て、あの曲群をプレイすると、たいていオーディエンスも最高なんだ。俺はSOUNDGARDENのファンの余りの多さが苦手だったんだけど、それに比べて決して多くはないオーディエンスで、でも彼らは凄く楽しんでくれたんだよ。

MH:第一弾ビデオは"Cochise"になるんですよね?

Tim Commerford:Mark Romanekとの仕事を終えたとこさ。けっこうエキサイティングだったぜ。これまでに見ないディレクションだったし。ビデオパフォーマンスとライトアップの仕方が興味深かったな。というか、全部が全部俺には信じがたいものだった。花火ですべてのパフォーマンスがライトアップされてるんだぜ。ライトは一切なし、全部花火なんだよ!

MH:MTV Video Awardsで、あなたはステージセットの上の方に登ってましたね、Tim。
ミュージックシーンに何を感じてあのような行動に出たのか、今の心境を聞かせて下さい。

Tim Commerford:いいよ。バカバカしいことをしたもんさ。俺たちが演奏する為にMTV-VMAに出た時、最初に俺の口から出た言葉は「俺たちが賞を取ったのか?」ってことだった。たくさんの人たちにそう尋ねたんだけど、誰も教えてくれなかった。そこに座って俺たちをペテンにかけようとしてたって感じなんだ。
受賞者の名前が呼ばれた時、顔にかすれそうなほど近くをテレビカメラが通っていった。最悪だったね。あの時俺は、Rageのためそこにいたというより、むしろMichel Mooreのためにいたんだ。Michel Mooreは俺たちのビデオ"Sleep now in the fire"の監督で、これで俺たちはノミネートされてた。さらに彼は、"Testify"のビデオも完成させてくれていたんだ。
あのふたつは俺に言わせれば、ロック史に残る最高のビデオだ。"Sleep now in the fireのようなビデオを俺は後にも先にも見たことはないし、俳優を雇ってもいなかった。
俺たちはN.Y.の証券取引所へ行ってゲリラライヴをして、警察に逮捕されそうになった。だが警察はMichel Mooreを逮捕しやがったのさ。俺たちはN.Y.の証券取引所のでかい金属製のドアの前で抗議した。その時Michel Mooreが言ったのさ。「俺たちは資本主義を休業させてやったんだぜ!」
このことは俺に確信を与えてくれたけど、ビデオは賞を取らなかった。ミッキーマウスファンクラブの連中(多分'N synkのこと)がステージにわらわら登って来て、俺には無意味としか思えないような音楽ばかりが流され、なんだか忘れたけどR&B野郎どもとかのような、やっぱり無意味としか思えないような連中がJennifer Lopezと一緒にいるような、そんなふざけたショーはぶちこわしてやったわけだよ。

でも、あのことは、最終的には俺にはよかったんだ。お蔭でJennifer Lopezのすぐ側に故意でなく15分ほども一緒にいられる光栄を得たし。彼女の服を作るすべてのデザイナーと、彼女がやってたバカくさいプログラムをこの手で完璧にぶっ潰してやれたんだもんな!
むしろ、もっと長いことあそこで粘ってやりゃよかった。あの時賞を取ったのが、LIMP BIZKITや、くそろくでもないTOAD THE WET SPROCKETだったからやったというわけじゃない。俺の別の気分的には、それは俺のフィールドにロックの磁場ってものを感じさせないこともないわけだし。俺はいつもロックの世界の中で、目に見えない磁場が存在していて、それは理解され得ないもののように思うんだ。そんな事をわざと試してみるということに、俺は病的にスリルを感じてると思う。
全く正直に言うけど、あの夜はほんのちょっとだけど殴り合いになって終わったんだ。俺も他の連中も怪我などはしなかった…俺はあの時、アンタッチャブル(不可触、不可侵)な存在だったんだよ。■


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このブログ記事について

このページは、kaollyが2002年12月14日 23:49に書いたブログ記事です。

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