Ashes and Snow グレゴリー・コルベール【pre-exibition】

Ashes and Snow

photo taken from Ashes and Snow
今週末で、森美術館でやっているプレ・エキシビションが終わるという事で、昨日仕事帰りに観てきました。本展示会は、お台場に特設された「ノマディック美術館」という所で3月半ばから始まっています。


グレゴリー・コルベールは、カナダ出身の映像ディレクター。
このエキシビションでは、動物と人間を同じ画面に配した静謐な空間を、写真、映像、音楽を通じてインスタレーションとして表現しています。

人間の子供たちが、象や豹、猛禽や猿などに寄り添い、目を伏せている様子は、安らかというよりは異様な緊張感を感じさせるもので、むしろ動物たちのほうがリラックスしているように見える感じでした。動物は人間の子供を守ってるような感じなのですが、子供は目を開けたら死ぬという感じなんですよね。眠っているという感じでもない。規模の小さいこのプレエキシビションに展示された写真の中で、目を開けている人は、チンパンジーに本を読んであげようとしていた少女だけでした。
そういうもんなのかもしれない。自然は交流できるけどそれでもどこかで峻厳なものがあるのかも。

2本の短編映画も上映されていまして、その中で渡辺謙がナレーションをしていた、象が鯨の背中を渡り川を越える様を見た貨物船の船長のお話は、緊張感の中に不思議な交歓があって、ああ通じ合うんだなと思わせるものでした。
チンパンジーと少女が船の上にいるのですが、チンパンジーは少女の腕を押し頂いて何度も愛撫とキスを繰り返すんですな。それが何ともいえずエロチックかつ優しい感じでよかった。ジャングルの湿度も包み込むような雰囲気となって、美しいファンタジーの世界でした。そこは中央アジアのように見えた。

一方、ローレンス・フィッシュバーンがナレーションをした「ashes and snow」というのは、砂漠と豹、山猫がアフリカ系と思しき子供や少女、老婆と静かに戯れているもので、音楽といい、これの緊張感が心地よくもありつつ、実に峻厳な感じでした。
白人世界からのゴシック感覚なのか、これぞピクチャレスクな...と思いましたが、東京のような世界からやって来て、フレームの中の峻厳な現実的自然、みたいなものを見ているとやはり奇妙に酔ってしまう私も作者の立場のほうに近いのです。

これらの物語は小さな詩になって、写真集に添えられて会場でも売られています。その言葉や物語が大変にきれいで、4200円もするその本を2種類も買いそうに...そしてまだ、DVDと、16000円もするカタログが欲しい...
なぜそんなに高いかというと紙がネパールの自然の紙だとかで、素朴な古文書のようでありつつ、超豪華なんですね。そういうズレっていうかなんというかが、ゴシック感覚だなーと思うわけです...。そして分かっていながら欲しいという...

お台場のほうにも絶対行こうと決めましてチケットも買ったし、かなり好きな世界ですが、それはやはりファンタジーとしての人間と自然の交流の美しさが心地よかったんだと思うのです。
ひねくれててごめん。

でも、ほんとにリラックスできるいい催しでした。

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