In Bristol With A Pistol
The Third Eye Foundationとは、ブリストルのマルチアーティスト、Matt Elliotのこと。
90年代後半になって、フルアルバムをUKのDominoレーベル(USディストリュビュートはSuperchunkの人がやってるMerge)から出していましたが、近年はパリに拠点を移し本名の名義で、ゴシックカントリーというか世紀末ヨーロッパな感じの生音な音楽をやっています。
このアルバムは、Dominoから出した4枚のアルバムのうち,最初の3枚をまとめ、さらにEPから選曲したものをボーナストラックとして追加したお得パックです。 これと"I Poo Poo On Your Juju"(このタイトルなー)を揃えればMatt ElliotのUKでの仕事が大体聴けるといういい時代に...
これまでプレミアついちゃって高くて買えず、"You Guys Kill Me"1枚しか持ってなかったのでありがたいです。HMVなら3枚組2000円。
この時代ブリストルシーンから出てきたというと、Massive AttackやTricky、Porticeheadなどを想像するところですが、どうなんだろ、空間構築的な音で姿勢も攻撃的なMassiveや、Trickyのスタイリッシュなダンディズムみたいのとも違う。
なんというかもっと繊細で規模が小さく、ささやかなところが美しい感じなんですね。手のひらの中で弱々しく光る大切な何か、というか。 音楽的にもアンダーグラウンドなNWっぽいセンスがあり、Notダンサブル。この中に入っている中では一番新しい作品である、2000年の"Little Lost Soul"などになると、アンビエントな感じはDevid Sylvianのソロを彷彿とさせるし、悲しげな大曲"Lost"などはストリングが印象的で、ブリティッシュって感じのしめった美しさが...言っちゃうとゴシックメタルバンドでもやりかねないくらいのセンチメンタルさ。
初期の"Ghost"は甲高い悲鳴のような音響や、呪いがかかってるようなトラックの曲がハイテンポで流れてて、まだ暗黒な活気があります。タイトルどおりオカルトで個性的な曲も多いけど、ジャンルとしてはガンガンにリズム取れないDnBでジャジーです。若々しい。 この作品は日本のWorld's End Girl Friendが近いと云われてます(1枚しか持ってないのであんましピンとこないが)。
"You Guys Kill Me"は性急さが影を潜め、どっしりとミドルテンポ。物陰から悪魔にあざ笑われているかのようなダークでゴシックな曲が続く。わたしはこれが一番個性的で好きかな。
90年代の半ばはかなりハイペースな仕事をしてたりしたようで、エレクトロニカ・フォークロックなバンド、HOOD(Dominoのレーベル仲間ですね)の中期代表作のプロデュースをしており、Blonde Redheadのリミックス等もしていたようです。
世紀末パリでバル・ミュゼットで飲んだくれ...
このあと、"I Poo Poo On Your Juju"を出してDominoからは出て、フランスのici d'ailleurs/0101というレーベルの"OuMuPo"というリミックスシリーズをリリース。 このあたりから後のMatt Elliot名義の、世紀末の猥雑なヨーロッパの下町に流れていそうな物悲しげなフォークにも通じる歌心が感じられる作風に...。 Leonard Cohenなども彷彿させる渋さ、いや渋くはない...
こっちもあまりの暗さ、景気の悪さに死にたくなるんですが、大変にいい作品が続きます。ジャンルは全く違うんだけどな...そのうちこちらのソロのお話も。俺のうたを聴かせるしかないのさ‥というダンディズムが満ちあふれております。
こうした流れを見てると、Radioheadの"KIDA"以前のエレクトロニカ、ポストロックの流れの一端が見える感じ。Matt Elliotは丁度そのタイミングで違う方向にいっちゃったんですが。
■The Third Eye Foundation Official Site
■Matt Elliot MySpace

- I Poo Poo on Your Juju
- Third Eye Foundation
- Merge 2001-05-22

- OuMuPo, Vol. 1
- The Third Eye Foundation
- Ici d'Ailleurs 2004-10-19

- Failing Songs
- Matt Elliot
- Ici D'Ailleurs 2007-06-18

- Drinking Songs
- Matt Elliott
- Ici d'Ailleurs 2005-09-06
